地域包括ケア病棟の使い方は病院ごとに全然ちがう
地域包括ケア病棟に転棟になった。
ちょうど空いている時期らしく、4人部屋に1人患者さんがいらっしゃるだけだった。
前の病室と反対の向きで景色も全く違い、窓際になったのでとても開放感があった。
やはり病室の環境はかなり気持ちの持ち方に影響がある事がわかった。
そして床面積も少し広い感じがした。
急性期病棟では毎日2回みっちりリハビリがあったが、地域包括ケア病棟では1日1回で日曜日は休みになるそうだ。
その分日勤で担当のナースが
「廊下一回り歩いてみましょう。」 などと声をかけてくれて、見守ってくれる。
あとは自主練をするように宿題が出る事もある。
ほとんどの患者が同じような病気、オペなので、指導もしやすいと思う。
我が病院の地域包括ケア病棟とは年齢層から、リハビリの様子から全く違う。
我が病院は高齢者が多く、急性期の治療が終わっても、ADLがさがって退院支援がいる方とか、最後まで病院で、という看取りの方とか、ほとんどケアが必要な方ばかりだ。
おまけに指示が入らないという看護必要度の認知症症状に引っかかる患者が、入院患者の1/3以上いる、という要件を満たし、夜間の看護師加算をいただいているくらいだ。
患者が転ばないように気を使い、ADLを評価して退院前カンファレンスに参加し、退院先を調整し、その間に緊急入院・看取りもある。
とてもリハビリを見守っている余裕はない。
私が今入院している病院のように、整形外科が有名で大きなオペをコンスタントに実施し、その後地域包括ケア病棟に転棟すれば効率がよく、そして自立の患者が多く、ケアもそれほど必要としない病棟運営ができるのだろう。
本当に内情まではわからないが羨ましいくらいの業務量であった。
こういう運営は私立で経営者のコンセプトがはっきりしているので、わかりやすい。
多分ずっと黒字経営できているのだろう。
今後は診療報酬がどこまで地域包括ケア病棟の運営に関わってくるかで、患者層はかなり影響を受ける。
国も今はとにかく新型コロナウイルス対策で右往左往しているので、しばらくの間はこのまま地域包括ケア病棟のいろんな使い方が認められて、一律1人1日30000点弱という高い診療報酬が約束されている。
やっぱり病院経営はトップの考えが大きく影響し、時流を読んでの舵取りが大切だと思う。
赤字に悩む病院🏥の看護師長としては……