定年退職の日
ついに定年退職の日となった。
何か他人事のようで、実感が湧かない。
特に3月は病棟編成や人事異動もあり、新年度に向けてギリギリなんとか病棟を整えた感じだ。
慌ただしくその日を迎えた。
もともと大雑把人間の私。
落ちがないようにメモしたり、書類の置き場所で区分したり、とても神経を使ってきた。
大勢のスタッフに温かい言葉をもらい、、良くやりくりしてきたなぁ、と自分でも達成感を持っていた。
でもひとりの感情を持つ人間だ。
剃りの合わない人もいる。
在職中は上司として大人の対応をしてきたが
それでも全員と良い関係を結ぶのは難しい。
最後の最後に心無い言葉をぶつけてきた人もいて、かなりメンタルやられた。
真摯に自分の行動を振り返ってみたが、どう考えても理に合わない部分もあって。。
その人はいつも愚痴ばかり言い、他のスタッフも嫌な気分にさせているのだが、、、
全て他人のせいにして被害者意識満載の人で、気にしないでおこうと思っても気分は晴れない。
最後にとても嫌ーな気分になりひきずっている。
次の日引き継ぎがあり、どうしても我慢できずに副師長にその件について話したら、同感してくれてなんか救われた。
看護部長にも話したら、前の部長も退職の時ひどい手紙をもらったそうだ。
部長も何回も恨みの手紙貰ってると言っていた。
それで自分だけではないと知り、少しは気分的に落ち着いたが、どうして退職の日にそんな事言うのだろう。
どうしてもその神経が理解できない。
部長は「 そんな時は相手の幸せを祈るといいんだって。」といった。
「 まさかぁ、祈れないよ〜」 と言ったが、" たしかに彼女も幸せになればこんな思いをさせられる人はいなくなるんだよなぁ" と妙に納得した。
流石に看護部長何年もやってるだけあるなぁ、とちょっと尊敬した。
最後のお別れの会には忙しい病棟スタッフも顔を出してくれて、みんなの顔を見たら、いろんな事を思い出して感極まってしまった。
やっと実感が湧いてきた。
そしてうちに帰り、いろいろいただいたプレゼントをあけてみると、オシャレな紅茶があり、ちょっと飲んでみた。
普段はコーヒー党で毎日何杯も飲んでいるが、紅茶は久しぶりでとてもよい香りがして優雅な気分になれた。
日常とは違い、ゆったりとでき、本当に肩の荷が降りた、というかストレスから解放されたと実感できた。
明日からも、まだまだいろんな事があると思うが、一スタッフとして、初心に帰り、仕事に取り組みたいと思う。
4月はスタートの月である。