入院患者への面会全面禁止の余波
毎日新型コロナウイルスの感染者数は増え続けついに1000人を突破してしまった。
明日からはPCR検査が保険適応になり、主治医が必要と判断すれば保健所にお伺いを立てなくても検査を出せることになる。
しかし実際検査をするには、受け入れ側のハードルが高く、すぐに実施できるわけでもない。
やはりそれなりに検体を採取する手技や運搬方法など、厳重に対応しなければならない部分があり、どこでもできるわけではないからだ。
それでも今までより格段に検査数は増えるだろうから、発生も一時的に増えるだろう。
検査数が増え、分母が増えれば重症化率も正確な数字になってくる。
そして新型コロナウイルスの本当の姿が見えてくると思う。
そんな中我が病院は入院患者さんへの面会を全面禁止にした。
入退院の日、主治医からのICなど、必要最少限にしてもらい、毎回熱を測ってもらってからの面会となる。
果たしてこの規制の意味はあるのか??
一番の目的は
" 院外からの感染症の持ち込みを防ぐ"
ということにある。
感染経路のはっきりしない感染者も出てきているので、予防策としては意味があるのだろう。
しかし県内での発生はまだ少なく、今緊急にする必要があるのかな?とは思う。
その分病棟はより忙しくなった。
洗濯物を届ける家族がくると患者の部屋へ持って行き、また洗い物をもってきてご家族に預ける。今日の状態を簡単に報告する。
洗い物がない場合は
「次は〇日がシャワーです」とお伝えする。
そして面会許可された家族には熱を測り、体調チェックをする。
またこれが夕方2人3人と重なってしまうと行ったり来たり、なかなか仕事が終わらない。
一番の弊害は認知症の入院患者さんだ。
ただでさえ不安はいっぱいで
" ここはどこなのか" " ここにいてよいのか?" 、と夕方になるとザワザワし始める。
今まで毎日顔を見にきてくれていたご家族も面会できないので余計に落ち着かない。
理由が理解できないから寂しそうだ。
また反対にご家族の方が心配で、患者さんの状態を聞く為電話をかけてくる方もいて毎日30分も対応している。
いつまで続くのか?
それでいて介護認定などはご本人に会わないとできないので、役場の方やケアマネは何人も面会に来ている。
とにかく院内感染は病院の存続にも関わることなのでなんとしても阻止したいが、大事をとっていろんなところに支障が出ているという現状だ。