崖っぷち看護師長の孤独。。

もうすぐ還暦、看護師長のポロポロ雑記ブログです。

鼻血が止まらない患者さんは救急車でやって来る

今日も日直でした。

救急隊からの収容要請あり、

 

「90歳女性

鼻血がでて、血を吐いています。意識あります。」

 

それから20分後救急車が到着。

 

ストレッチャーの頭の方を起こして座位で運ばれてきた。

すぐに血圧計・心電図・SPO2モニター装着。

声かけには反応あり。

両鼻は鼻血が固まった跡あり。

服にも2カ所程血液のシミが🩸直径15センチ程付いている。

息子さんは

「血をかなり吐いてしまって」と同乗してこられた。

 

ドクター「いつから鼻血出ましたか?」

患者「いつからだったかなぁ」

「どこか具合悪いところはありますか?」

「全部具合悪い」

「ここはどこだかわかりますか?」

「どこだね?」

認知症患者特有の会話である。

 

とりあえずバイタルは血圧がやや低いが他に大きな異常なし。

採血をし、そのまま点滴に繋げて早めに落とす。

その間にCTだ。

 

ワーファリンという抗凝固剤を内服しているという情報があり、凝固の検査も追加された。

 

諸検査の結果が出るまでモニター管理。

 

その間にもインフルエンザ疑いの患者さんが5〜6人いるので診察してもらう。

 

そして検査結果が出た。

 

やはり凝固時間が延びている。

ワーファリンが効きすぎているのだ。

 

そのため鼻血が止まらず、喉に流れ、それを出す為に吐いて喀血したように見えたのだろう。という診断である。

特に現在は鼻血もとまり、バイタルも問題ないので、ワーファリンの量の調整はかかりつけ医に診てもらう事になった。

血液検査の結果と紹介状を作り、ワーファリンは内部せずに早目にかかりつけ医を受診するという事で本日は帰宅する事となる。

息子さんも

「10年前にも鼻の奥から鼻血が出て止まらなくて受信した事があります」と理解された。

 

患者さんは点滴中も

「点滴どこでしてるだね?」

「息子は今ここにいたがどこだね?」

などと不安そうだ。

 

「点滴したら帰れますよ」

というと

「そりゃあ良かった」と笑顔になった。

 

そして車椅子に移り、帰宅された。

 

私が新人で心臓血管外科病棟に勤務していた頃はワーファリンはとても怖い薬で心臓のオペ後の患者さんは毎朝凝固の血液検査をしてワーファリンの量を決め、夕飯後に内服していた。

それ程慎重に投与していたが、最近は高齢者で不整脈があるだけでも、処方されていたりする。

また開業医であまり検査もせずに数週間分処方している事例も多々ある。

特に高齢者は薬の効きが良くなったり、悪くなったりするのでとても怖いなぁと思う。

 

今日の患者さんも認知症もあり、あまり外来受診していない様子だった。

 

最近はポリファーマシーと言って、無闇に多数の内服薬を被せるのではなく、不要な薬は減らし、また減らす事によって診察料に加算がとれる。

入院を機会に内服薬がグッと減る患者さんも多い。またきちんと処方通りに飲めていない事が発覚する患者さんも多い。

内服薬の調整はかかりつけ医がしっかりやってほしいなぁと思う。

また家族も気にかけて欲しいなぁと思う。