崖っぷち看護師長の孤独。。

もうすぐ還暦、看護師長のポロポロ雑記ブログです。

普段世話をしていない人ほど横から口を出す件

田舎だからだろうか??

普段一緒に住んでいない人が最後の決断にいろいろ口を出してくるのは…

 

ちょっと前に入院していたTさん

肝硬変末期でご高齢、また気分屋でもある。

少し認知症症状のある旦那さんと2人暮らしで旦那さんがTさんの面倒を見てきた。

入院中毎食旦那さんは病院にやってきて、いろいろ声をかけて励ましたり、廊下をうろうろしたり…

 

Tさんは体調が悪いせいもあるのだろうが、好きなものをごく少量食べるのみである。

余命もそれ程長くないと思われた。

 

ずっと入院しているわけにはいかず、かと言って食べる量も少ないので施設は受け入れてくれない。

 

そんな患者さんの退院先として挙がるのは療養型病院か介護医療院である。

療養型病院もベッドはいっぱいで転院できるか判定してもらい順番で転院することになる。

 

最期の看取りをお願いする事もある。

 

3カ所ほど申し込んでやっとS病院からOKの返事をもらい退院が決まったのだが、その病院は精神科が有名な病院であった。

それを聞いてからTさんはますます元気がなくなり鬱っぽくなってしまった。

「私は精神病院に入れられる」と被害妄想に取り憑かれ、また周りの親戚の方々が

「S病院じゃ可哀想だ。家で看られないのか」

と口を出してきた。

 

結局ケアマネなどと退院に向けカンファレンスをし、往診・訪問看護訪問介護を組み、自宅への退院となった。看取りもふくめてである。

 

「家に退院できる」と聞いてTさんは気分が落ち着き、不安になる事は無かった。

 

退院してから1週間

家で看取るはずだったが、夕方になると不安になり、旦那さんが参ってしまった。

今度は親戚の方々は

「入院させてもらえ」と言い出した。

 

結局旦那さんも入院を希望され、" 入院しても特別なことはせずに看取りの場として病室を使ってもらう" ような対応をした。

 

毎日旦那さんはやってきた。

Tさんがだんだん衰弱し個室に移る頃には親戚の方々もかわるがわる面会に来た。

 

個室に移ってから2日後旦那さんに見守られ亡くなった。

" 旦那さんが大丈夫かな" と思っていたが、気丈にふるまわれ、

「これからどう連絡すれば良いですか?」と聞いてきた。

 

「葬儀屋さんに連絡して迎えに来れる時間を聞いてください」と話すと、ちょっと混乱しながらも連絡をとって頼んでくれた。

 

「ほんとに世話になって」と感謝してくださった。

 

周りの人の言葉に振り回されたが結局はTさんも一旦自宅に帰れて病室でゆっくりお別れでき、良い看取りができたのかも知れない。

 

結果オーライというところか…

わからないものである。。。