症例 17 入院してわかった病気
最近入院してから重大な病気が分かった患者さんが2人いらっしゃって
貴重な体験をしたので報告する。
Sさん。80台女性
一時的な意識消失発作があり脳外科で緊急入院した。家族がいなくて施設で暮らしている。
聞いてみると最近数回意識がなくなる事があったという。すぐに戻るしご自分でも覚えているという事だった。状況がハッキリせず、年齢よりはやや認知症がすすんでいそうな印象を受けた。
入院して経過観察、てんかんや心疾患も想定して必要な検査をすることとなった。
心電図モニターを装着して次の日には脳波の検査と24時間心電図ホルターを予定していた。
検温に行っても
「さっきボーッとしてベッドに倒れ込んだ」という訴えもあったそうだ。
次の朝申し送り前のザワザワした時間。
心電図モニターのアラームがなり画面を見るとSさんの表示がアレスト( 心拍0) で緊急アラームがなっている。
すぐに駆けつけたスタッフが声をかけ、刺激すると意識が戻ったそうだ。
心拍も正常に戻っている。
心電図モニターのアラーム履歴を見ると突然の心停止、高度房室ブロックであった。
すぐに主治医に連絡し診察依頼した。
結局は循環器内科にコンサルトして緊急でペースメーカー挿入が決定した。
診察を待っている間も一瞬意識消失して、後でその時刻の心電図モニターを見てみると一瞬心拍0になりすぐ戻ったのでアラーム音も消えていた。
既往に心筋梗塞があり刺激伝導系に異常をきたしたのかもしれない。
ここまで急激な発作は初めて体験した。
入院していたから発見できた。
気付かなければ突然死もありえる。
ご本人はビックリしていたが強運な人だ。
Uさん。23歳女性
めまいと吐き気
足に力が入らず痺れるという症状で緊急入院した。車椅子で👩🦼具合悪そうに搬送されてきた。
若いのにメニエール症候群?過換気症候群?
一晩たってだいぶ症状はおさまり、歩いてトイレへ行けるようになった。
ところが次の日の頭部CTで脳腫瘍が発見された。そして、その日のうちにご家族に説明し、脳外科の専門医院へ紹介、転院された。
この方も高齢者患者の多い当院ではあまりない症例であった。
めまいでも頭部検査をする事の重要性を再認識した。
オペができると良いけど…
最善の治療ができるように祈っている。