崖っぷち看護師長の孤独。。

もうすぐ還暦、看護師長のポロポロ雑記ブログです。

病室について考える、全室個室ってどうだろう?

今の病院はどこも機能別になっており入院後も何回か部屋移動することが多い。

 

我が病院も急性期病棟と回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟があり、緊急・重症・オペなど治療が必要な患者は急性期病棟に入院する。

診療報酬=入院費はDPCといって病名で単価が決まっており、また期間も一律決められている。

すんなり退院できれば良いが、その期間を過ぎてしまうと、極端に入院費が安くなり、すなわち病院の持ち出しとなってしまう。

そのため入院が延びてしまう患者さんは病名にあった病棟に移動してもらうのだ。

 

回復期リハビリテーション病棟は対象患者が病名で決まっており、対象外の患者は地域包括ケア病棟で退院支援をする、というのが、だいたいの流れである。

 

その上、急性期病棟内でも部屋移動はしょっちゅうで入院日やオペ日はナースステーションに近い部屋で落ち着いたらだんだん遠い部屋へ、とかせん妄状態になってしまった方は近くへ、看取りに近くなると個室へ、など毎日毎日部屋移動している。

 

今回私もオペ前は急性期病棟の4人部屋、オペ日はリカバリー室、翌日オペ前いた部屋に戻り、2週間後地域包括ケア病棟に移動となった。

 

急性期病棟でいた部屋は、皆さんちょうど同じ頃手術で、明るい人が多く、ずっと喋っていた。年代は違ったが、いろんな話をした。

また家族の面会もあり、家族の方とも一緒に話したりした。

 

一日があっという間で、ご飯も話しながら食べたり、久しぶりに学生のような生活をしていた。本を読む間もないくらい、オープンに

接していた。

 

その後地域包括ケア病棟の部屋はやや難聴気味の方が2人いて、ちょっと認知症もありそうで話が通じず、もう1人の方と話したりしたが、その方も2〜3日で退院され、話し相手もいない日が続いた。

 

本を読んだり、映画を見たり、かえって気を使わず過ごせたが、やっぱり一日は長く感じた。

 

そして考えた事。

我が病院は認知症の患者も多く、そのための部屋移動もとても多い。

大きな声を出す人と難聴の人を隣にしたり、トイレなど見守る人を近くに移動したり、、

 

そこで新病院を建築するにあたり、今のところ全室個室という案が有力なのだ。

個室でナースステーションからの動線を良くして、部屋移動をなくす、という案だ。

 

確かにベッドコントロール的には最高だろう。

でも患者の立場として見ると、個室は気を使わなくて良いし、夜もよく眠れるかもしれない。

 

でも誰も話し相手もなく、人の動きもない場所での一日は長いだろうなぁと思う。

看護師だってしょっちゅう訪室するわけじゃないし、、

 

入院してみてはじめてそう考えた。

認知症もすすんでしまうんじゃないかなぁ。