崖っぷち看護師長の孤独。。

もうすぐ還暦、看護師長のポロポロ雑記ブログです。

遺族にかける最強の言葉は……ご愁傷様です。

今は地域包括ケア病棟に勤務しているので病院でお亡くなりになる方は80〜90代のご高齢の方がほとんどだ。

 

闘病してきてだんだんに衰弱したり、年齢とともに嚥下機能がおち、誤嚥性肺炎で入退院を繰り返し、いよいよ…

 

または脳梗塞を発症しリハビリしていたのに、再梗塞を起こし急に…

 

などさまざまだが、最後の時はいずれ訪れる。

 

私は子供の頃は怖い話とか怪談とか苦手でいつも耳をふさいでキャーキャー言っていた。

 

でも看護師になって臨終の場面に立ち会う事も経験して人間の死やご遺体などはお化けの話などとは全く違い、怖いものではなく、自然な事なんだなぁと思うようになった。

 

それでも外科病棟に勤務していた若い頃は終末期の方の担当が本当に苦手でなにをどう話しかけたら良いのか悩みついつい避けていた。

 

昔は余命告知や病名も隠したり、世間全体が死というものを言葉にすることに関してタブー視していたと思う。

 

今は超高齢化社会になり、死因病名に「老衰」

と書けるほど人間の死が自然な事だと受け入れられてきている。

 

そして看取りという言葉も当たり前に使われている。

 

今病棟の看護師長になって入院、退院の時は出来る限りご挨拶しよう、と思っているので死亡退院の方も同様である。

 

そんな時なんと言葉をかけたら良いか?

 

その答えは

「この度はご愁傷様です。」

 

心を込めてただそれだけで良い。

 

この難しい言葉を使えるようになったのはやっぱり看護師長になってからだ。

 

ご愁傷様

相手の傷ついた気持ちを愁う(うれう)という事から

「あなたの悲しい気持ちよくわかります。辛いですね。」

というただただ共感の言葉なのだ。

 

言いたいことはたくさんあるけれどご家族もいろんな思いがあり葛藤があり…

細かいことをいうよりもこの一言に気持ちを込めて…

 

例えば親子の仲が悪くほとんどお見舞いに来なかったご家族でも最後にこの言葉をかけると途端に

「ありがとうございました。

お世話になりました」

と遺族の顔になり背筋をピンと伸ばすのだ。

 

普段の会話でも軽く「ご愁傷様」=お気の毒にという使い方もあるのでなんとなくふざけた言葉というイメージもあるかもしれない。

でもスタッフがエンゼルケア(死化粧)をすませいざ送り出す前にご遺族に病棟師長がかける言葉としてはドンピシャ、最強である。

 

もちろん夜間帯の旅立ちはスタッフが送ってくれます。