崖っぷち看護師長の孤独。。

もうすぐ還暦、看護師長のポロポロ雑記ブログです。

病院とはいえ商売 一体誰のためのもの??

病院ほど採算の取れない商売はないかもしれない。

医療用器具はいちいち価格が高くて、おまけにトラブルがあってはならないので激安品はまず購入しない。そして慎重に検討するが値段より中身で選ぶと価格はバカ高いものになる。

 

また消耗品も次から次へと便利なものが開発され、業務改善のためにも便利で簡単な器具が欲しくなる。

 

最近では吸引のボトルが良い例だ。

吸引した物がたまるポットがあるのだが、今までは毎日、中の吸引物を捨て洗っていた。それが使い捨てになり吸引ビン交換の手間は一気に短縮された。

値段はそれなりに高い。

 

職員も医師を始め、看護師・検査技師・薬剤師・レントゲン技師など国家資格を持ったスタッフが多く必要で、人件費もかさみ、そこをまた外から指摘される。

 

最近では60歳以上の地域の方々にパートで来てもらっている。

 

それでいて医療ミスは許されず、また救急患者は夜でも朝でも断らず診察する。

 

患者さんにとっては良い医療なのか?

入院予約をしていた患者なのに前の日の救急車受け入れのため病室が満床になり、ロビーで待たされる。

 

また緊急入院が決まっても部屋移動のあとベッドが空くので数時間も処置室で待ってもらう。

 

夜間は骨折などもとりあえず当直の医師が診るので、次の日またCT・MRIを取って確定診断する。まれにはそれから転院なんて事にもなる。

 

 

寝たきりの吸引が必要な患者の隣にめまいの自立の人が入院して夜間うるさくて眠れなかったり…

 

最近は病棟機能を変え、急性期の治療が終わったら回復期リハビリ病棟や地域包括ケア病棟に移ることもよくある。

 

DPCはふつうに家に帰れる期間で設定されているはずなのに、高齢者が多く、現実とはかけ離れているのだ。

 

そして患者さん側は文句を言った人が勝ちなのである。

 

我慢するなんて馬鹿らしい。

 

部屋を窓際へ、もっと広い所へ、ここは寒い、部屋の電気が眩しい…

などなど

 

そして何かしら対策をとってもらえる。

 

「もう1ヶ月おいてください。」

「寒くなるから年明けまで…」

 

実際施設に入所するより病院が一番費用が安いのだ!

こんな商売でどうやったら黒字になるのだろう。

 

地域包括ケア病棟は自宅からの直接入院が今の診療報酬では1割以上必要だが、次回の改定では2割になるという噂だ。

でも当病棟は半分近くが直接入院だ。

そして入退院が多く忙しい。

 

それでも空床があり病院長から

「もっと新規の入院をとれるように頑張れ!」

と言われた。

 

流石に心も体も疲れている時は落ち込みます。

こんな時は本当に看護師長の孤独を感じます。

看護師長も病院管理職とスタッフの間に挟まれたいわゆる中間管理職なのです!