崖っぷち看護師長の孤独。。

もうすぐ還暦、看護師長のポロポロ雑記ブログです。

退院したのにすぐ逆戻りの患者さん

マサ君は脳性小児麻痺で身障者施設に入っている。36歳だが、体はほとんど動かすことができずに、ずっと施設で過ごしている。

今は簡単な言葉は理解できそうで、うなづいたりして意思疎通を図っている。

 

食事は全介助が必要で、嚥下の力は弱く、水分はむせてしまうのでとろみが必要だ。

とろみだと食道に流れやすく、誤嚥しにくい。食事も全てミキサーにかけた物だ。

 

高齢者が誤嚥性肺炎になりやすいのと同じ事で、飲み込む力が弱く肺炎で入退院を繰り返している。

 

今回も12月から誤嚥性肺炎で入院し、抗生剤、点滴で治療し、毎日吸引などの呼吸ケアをし、食事も再開した。その後も痰が増える事もなく順調に回復した。

そして昨日11時に無事退院して行った。

 

その3時間後

退院先の施設から連絡が来た。

「施設に戻ってベッドに移す時体が熱いと思って熱を測ったら39度あります。

どうすればよいですか?」と

 

なに〜〜?

マジっすか??

たった3時間でそうなります??

車に揺れて誤嚥??

でもそれですぐに熱は出ないよね。。。

とりあえず診察のため外来に来てもらった。

ベッドを用意して…

 

外来に行ってみると元気そうではあるがやはり38.8度もある。

インフルエンザはマイナスだったのでそのまま前いた部屋に再入院となった。

 

間が4時間ほどなので全く別の疾患でなければ外出扱いになる。

 

結局白血球数も増えておりレントゲンでは肺炎像がないので、尿路感染と診断され、抗生剤の点滴が始まった。

 

朝は10割食べて退院して行ったがお昼はあまり食べなかったとのこと。体調が悪かったのだろう。

自ら訴えができない方は本当に難しいなぁと思った一件であった。

 

もう1人、とみさんは寝たきりだが息子さん夫婦が自宅で介護なさっている。

吸引や食事も全介助なので、自宅でのご家族の介護疲れを解消し在宅介護を支援するために1ヶ月に5日ほどレスパイト入院という制度を使って予定入院されている。

 

この方も嚥下機能が低下してきており、レスパイト入院になる前に誤嚥性肺炎で入院する事が多くなってきた。

前回も誤嚥性肺炎になってしまい、1/10に退院され、次回は1/25からレスパイト入院の予定が入っていたが、1/15に急性期病棟へ緊急入院していた。

ご家族も前回の退院の時

「だんだん肺炎で入院する事が多くなってしまって」と心配されていた。

お別れの時も近いのかもしれない。

 

そう考えると逆に治療が終わったら早めに退院して、また体調が悪くなったら入院するという普通のことが一番よいのだと思う。

 

「もう少しリハビリをして下さい」とか

「寒いからもう少し入院させておいてください」とかやっぱ変だよね!