崖っぷち看護師長の孤独。。

もうすぐ還暦、看護師長のポロポロ雑記ブログです。

三途の河って本当にあるんだ

私が内科病棟のスタッフで働いていた今から10年前頃の思い出である。

 

高齢者の方々で軽い認知症がある患者さんはあまり自分の症状を表現できない。

 

賑やかに話していたのに次に行くと

" 全く反応なし" などという事もたまにある。

 

そんな見つけにくい症状のナンバー1はてんかん発作だと思う。

脳の外傷後や脳梗塞などで脳にダメージを受けた後、痙攣からてんかん発作が発見される場合は多いが、高齢者になり脳の老化に伴いてんかん発作を起こす場合がある。

症状は、一時的に意識がなかったり、動きが悪くなったり、老人性の鬱と思われる場合も少なくない。脳外科のドクターに指摘され初めてわかるのだ。

 

そしてナンバー2は低血糖だと思う。

急に意識レベルがさがり、呼吸も浅くなっていろんな検査をし、たまたま血ガスの結果をみたら低血糖だった、という経験も数回ある。

ブドウ糖を静脈注射して意識が戻った。

 

そんな何回も意識がなくなったりした患者さんたちからよく聞く話がある。

夢から醒めた感じで

「綺麗な花がたくさん咲いていて、気持ちよかった。」という事もあれば

「大きな川が流れていたよ」

などと教えてくれるのだ。

それが三途の河なのだろうか??

 

昔からの言い伝えであるのだから、本当にそういう経験者もいるのだろう。

 

そのまま死ねたら何にも苦しくないのだろか??

そう思うとちょっと救われるかな。。。

 

むかーしの話だが、50代でとても気の利く気さくな男性がいた。

胃癌の手術だったか、胆石の手術だったかハッキリ覚えていないが、危険な手術では無かった。

入院中も廊下で会うと「ガム食べな!」

とさりげなく断れないような差し入れをしてくれる嫌味のない素敵な男性だった。

 

その方が術後の経過が悪く、縫合不全や合併症を起こし、ついに亡くなってしまった。

健康そうな働き盛りの方であった。

 

後から分かったことはMRSA感染を起こしていたという事であった。

 

私がパートの頃だからもう20年以上も前の事。

MRSAも騒がれだした頃でオペ前にチェックする体制もなかったし、特効薬も無かった時代である。

 

こういうのは" 運が悪い" と言うのかなぁ

あんなに滅多にいない良い人だったのに…

 

病院の中にいてさえ、

三途の河を見ても生き返る人と思いがけない事で亡くなる人がいる。

どこが違うのだろう・・

 

もう" 寿命が決まってる" としか言えないのである!!