崖っぷち看護師長の孤独。。

もうすぐ還暦、看護師長のポロポロ雑記ブログです。

精神症状の強い患者さんたち。

今病棟には病院というより、ほとんどここに住んでいるというような患者さんが2人いる。

 

どんな患者かというと、

1人は超天才。でもネジが一本外れている。

どんな暮らしをしてきたか知らないが、ずっと研究などしていたらしい。

お金も家もある。

ご家族は妹さんのみ。 妹さんは結婚していてご自分の家庭がある。

 

好きなことをして、好きなものを食べ生きてきた方。当然成人病になる。

前回は心不全で苦しくて体が動かなくなり、入院してきた。

治療の効果もあり、入院前の動きに戻って自宅へ退院できた。

 

でも3週間ほどで転んで痛みが強く動かなくなり、再入院してきた。

今回こそ施設入所を勧めたが、どうしてもご自宅で一人暮らしを続けたいという希望だ。多分自宅へ退院することになるだろう。

 

毎朝早くから杖をもち、ちょっと突っかかるような独特な歩き方で売店へ新聞を買いに行く。

そして、1週間に1回程妹さん付き添いで外出し、年金の受け取りや、ネットで購入したものの支払いなどしている。

時々デイルームにあるピアノを弾いている。

ご本人に家族歴を聞いたときには

「東京に息子家族がいる」といっていたが、どうも妄想のようだ。

しかし孫のためにピアノを買うと言ってついに自宅にピアノを買ったらしい。

 

退院後通うデイサービスが空くまでもう2週間ほどかかるということだが、なんとか退院日が決まりそうだ。

 

そしてもう1人は精神病の症状があるが、精神科受診を拒否して生活している方。

ずっとノートに細かい字で書き物をしている。

こだわりが強く、お風呂に誘うのも一苦労。

心の準備にとても時間がかかるのだ。

 

以前住んでいた市営住宅は退去しなければならず、退院先がない。おまけにキーパーソンはいとこさんのみである。

 

会話は成り立つが自分の世界で暮らしており、コミュニケーションはとれない。

日常生活には特に支障なく、また周りに迷惑をかける事もないので、そのままの彼を受けてくれる退院先を探していた。

 

そして、ついに受けてくれる施設が決まり、退院できることになった。

何日も前から説明したり、シャワーなどして準備をしてきたが、退院当日になり、急に拒否し、動かなくなった。

 

MSWや主治医も説得したが、

「待ってくれ。まだ退院できない」と大声を出し、興奮気味である。

結局主治医の指導医がやってきて話を聞いてくれ、なんとか退院に持っていってくれた。

 

退院日になって、生活には支障がなかったが、もっと精神科受診を勧めるべきだったと実感した一件であった。

反省!