崖っぷち看護師長の孤独。。

もうすぐ還暦、看護師長のポロポロ雑記ブログです。

手術適応ってなんだろう、、、

よく手術の適応という言葉を聞く。

 

簡単に言うと、手術もかなりの侵襲を伴い、体に負担をかける。

それでも手術により治療できたり、手術をした方が予後が長くなるとか、生活動作がよくなるなどなんらかのメリットがある場合、持病などのリスクと合わせて診断する。

 

またインフォームドコンセントで、ご本人・家族に説明して、ご希望も聞き、決定していく。

 

今は高齢化社会で、患者も高齢化し、80代90代でも手術ができるようになった。

 

歳だけでは決められず、背景も考えなければならない。

 

この前困ったことは上腕を骨折した80代女性が入院してきた。

やや認知症があるらしい。

 

会話は普通に成り立つが、なにか落ち着かない感じがした。

 

次の日手術となった。

 

スタッフは

「ちょっと怪しい感じですよ」と看護師の勘でアドバイスしてくれる。

 

じゃあ手前の部屋にしようと決めた。

 

そして無事手術は終わった。

 

夜勤も気にしてラウンドしていた。

 

それなのに・・・

 

手術で入れてきた骨を固定するための綱ぴんを引き抜いてしまったのだ!

 

痛くないの??

 

というか先生方もアセスメントして欲しいな。

 

認知症があるなら、シーネ固定じゃなくてゆったりにギプス巻いちゃえば良かったんじゃないの??

 

とにかくみんなびっくりの出来事でした。

 

そんなわけで手術適応について考えてみた。

 

徘徊していた方が転んで大腿部頸部骨折になってしまった。

ご家族は「認知症がひどくて手術はしないで良いです 」とおっしゃる。

たしかに納得もできるし、本人も忘れてあまり痛がってない。

 

先日入院した病院で絶対オペ後の安静や例えば酸素投与などできない認知症患者さんにオペをした。

先生方はオペしてしまえばよいが大変なのは看護師だ。

一晩中看護師が

「青木さん。今朝転んで足の骨が折れて、手術したんだよ。

大事な管だからとらないでね。」と言い続けている場面に遭遇した。

 

認知症患者への看護としては" わからなくても丁寧に何度でも説明する" という大原則に則っている。

 

でもでも" 理屈がわからない相手に説明してもわかんないんじゃないかなぁ" と思ってしまった。

 

もっと感情で「そんなことしちゃダメよ、悲しいなぁ」とか「おうちの人には言ってあるから今日はここに泊まってこうね」とか言う対応もありかな、と思った。

 

また施設で転んで骨折してしまう方も、手術して歩けるようになっても転びやすいという老化は進行する一方だから、介助で生活できるなら保存療法で良いかな、とも思ってしまう。

 

認知症の程度とオペ後の生活状況も考えて手術適応か考えて欲しい。

切に願う。