一家団欒の年末年始
2022年
明けましておめでとうございます。
今年の年末年始は2年ぶりに県外から家族が帰省でき、賑やかな日々を過ごすことが出来た。
感謝です。
股関節の人工関節の手術をしてから1年が経ち、筋力もついてきて、痛みもなく動けることも、本当に有り難く感じる。
現代の医学がなかったら、あの痛みが一生続き、どんどん動けなくなっていたはず。
何をするにも、こんなに動けるんだー、と嬉しさを噛み締めながら過ごしている。
そんなわけで、昨年は年末に向けて、暖かい日に少しずつ障子を張り替えたり、トイレ掃除をしたりしてきた。
そしてなんとか人数分の寝床を作り、みんなを迎える事ができた。
特に今回は次女が旦那さん同伴で帰省するのでちょっとだけ気を使った。
夫は12/25から年休を使い、1週間程ゆっくりする事ができた。
その間も私は仕事があるので送迎してもらったり、夕飯を作ってもらったり、久々に家族らしく過ごせた。
休み中、ご飯を作ったり、送迎したり、動き回っていたけれど、どれもこれもできる事が嬉しくて、楽しい休暇となった。
それも期間が決まっているから余計に頑張れたのかもしれない。
また我が家は、私以外、自分で勝手に好きな事をするB型集団なのだ。
O型の私は、初めこそいろいろ気を使って疲れたりしたが、流石に30年以上家族をやっていると慣れてきて、私もやりたい事をやっている。
そしてやってほしいことはハッキリ言葉に出して言っている。
言わなくても分かってくれるとか分かってほしいと思うのは幻想だと知り、我慢せずに自然体でいる事が長持ちの秘訣だと思う。
長男は久しぶりに会ったらメッチャ太っていた。多分コンビニ弁当やペットボトルばかり飲んでいるのだろう。
これには流石にもっとうるさく躾けるべきだったな、と反省した。
みんなで総攻撃でペットボトル禁止、とか、健康に気を付けろ、と言ったが家族の心配がわかっているのかいないのか、、、
大の大人なんだから自分で自分の身体は守らなきゃね。
そして年越しそばをたべ、新年を迎えた。
今回の年越しそばは近くの蕎麦屋の手打ちめんでとても美味しかった。
今年は寅年。
3月で定年で、病棟師長の卒業と新しい生活へのスタートの年だ。
どんな1年になるのか、、、
前向きな気持ちで、できる事を責任持ってやって行きたい。
そして何より健康第一でゆったりと暮らしていければ良いなあ^_^と思う。
今年の目標
字が上手に書けるように練習する。
2021 12月 定年までのカウントダウン
12月は誕生月
我が病院では誕生月に人間ドックを受けることが推奨されている。
今年も少し前に人間ドックを受けた。
手術してからは脚の痛みもなくなり、とっても快適なのだが、いろんな他の部分は年齢と共に不具合が出てきている。
オペ後頻発していた不正脈はだいぶ落ち着いてきた。
低血圧も職場復帰してからは改善した。
しかしストレスはかかるようでアルコールを飲むわけではないのだが、肝機能はやや悪化している。
まあ痛みもなく、毎日過ごせる事が本当にありがたい。
手術後1年たって人工関節もやっと自分のものになった気がする。
不安なく歩けるようになったし、しゃがむのは難しいが、かがむことはできるようになった。
年末に向けて大掃除も少しずつ始めた。
平地ならば思った以上に長距離歩けるようになった。
始めは恐る恐る歩いてみて、痛みが出ないか、翌日筋肉痛がでないか、様子をみていたが、今では30分以上歩いてもぜんぜん平気だ。
休みの日はなるべく1時間くらい歩くようにしている。
今まで長い間、歩く事が本当に苦痛で、駐車場もなるべく近くに停めたり、階段なんてとんでもない、エレベーターやエスカレーターを探して歩いていた。
その習慣が身につきすぎていて、何かの折に
" そうか、歩いても平気なんだ!" という事を思い出して、思考回路を繋ぎ直している。
最近やっと、書類などもメッセンジャーボックスに入れて、回るのを待つのではなく、
" 事務所まですぐに持っていこう、"
と思えるようになってきた。
習慣ってなかなかアップデートできず、でも、その度歩ける事の嬉しさを噛みしめている。
病室へも行く事が苦でなくなり、ラウンドも自由に出来るようになった。
病棟師長の役割もあと数ヶ月になったが、多分今が一番面白く、またやりたいマネージメントができていると思う。
そして、勤務表を作るのもあと3回だ。
希望を締め切って明日からは作成にはいる。
年末年始もあまり連休がとれずに働いてもらうので少しゆっくりできる部分を盛り込めるように一人一人の希望と兼ね合いながら、丁寧に作ろうと思う。
今は新型コロナ感染が少し落ち着いており、気持ち的にも余裕がある。
まだ新型コロナ感染患者用の病床は確保してあるが、このままなんとか増えずにいてほしい。
今後オミクロン株がどうなるのか、、感染拡大するのか?
まだまだ心配は尽きない。
症例 23 103歳 尿管結石
103歳のヨナさんは施設に暮らしている。
近所に住む長男夫婦が面倒を見ていて時々会いに行ったりしている。
ヨナさんはほとんど寝たきりだが、頭はしっかりしていて、ご飯もご自分で食べ、むせたりすることもあまり無い。
ここ数年は、腎臓〜尿管結石がいくつかあるので、尿路感染を起こし、高熱が出て、その度施設から救急車で運ばれてきた。
先月も高熱でハァハァと息も絶え絶えになり、入院した。
抗生物質の点滴と補液で効果があり、またご飯もご自分で食べられるようになった。
しかし体力は病むたびに落ちていく。
リハビリを継続し、退院調整をしているうちにまた熱が出た。
やはり尿管結石が残っているのでどうしても感染をおこしてしまうのだ。
再度抗生物質と補液を開始。
2〜3日で解熱し症状も改善した。
そして主治医が長男夫婦にICをして、退院の相談をした。
ヨナさんは何年も施設にいるので帰りたがっている。また長男夫婦の希望も最後は施設で過ごさせたいという事であった。
尿管結石が残っている以上感染を繰り返すのは想定内。もちろん超高齢でもあり感染を起こせば命取りになることもある。
今後は入院はしないで、施設医に抗生物質を処方してもらい内服治療し、効果がない場合看取りとなる、という事も理解されて退院する事になった。
103歳だからというわけでは無いが、入院していても尿路感染をくりかえしてしまうのだから、逆に言えばどこにいても同じという事になる。
たぶん抵抗力や体力が落ちているのだろう。
あとは本人の生命力、寿命の問題。
どうしようも無い部分もあるのだ。
そうして次の週に退院が決まり無事退院して施設に戻っていかれた。
それから10日後。
土曜日の夜、また救急車で運ばれてきた。
高熱でまたハァハァしている。
しかしこの前の話し合いはなんだったのだろう。。
施設で熱が出たので抗生物質を飲ませたが、翌日も苦しそうで、夜になり施設医がいないから、救急車を呼んだのだろう。
施設のスタッフの気持ちもわからないでは無いが、なにか割り切れない。
高齢者は、ご家族も理解されているのに、静かに亡くなる事もできない。
また死に場所も選べない。
こんなケースはよくある。
入院中アドバンスケアプラニング( ACP) などと言って他職種とカンファレンスをしても、実行するには大きな壁があるのだ。。
せっかく退院時サマリーを渡しても伝わらない事がたくさんあるのだ。
たぶんヨナさんも数日で回復してまた施設に戻っていくのだろう。
新型コロナワクチン接種について
新型コロナウイルス感染者の発生が一挙に減少している。
東京はちょっと前まで5000人を超えていたのにほんの1ヶ月で10分の1以下にまで減少した。
今回は若い世代の感染が多くデルタ株により感染力もアップし外から持ち込んでの家庭内感染が多かった。
今まで家族でも1/4だった感染力が3/4になったと聞いた。
だから増加率も以前の3倍以上の増え方を見せた。
この急激な収束の仕方は非常事態宣言が少しは影響しているかもしれないが、今回は若い人たちも以前より真剣にコロナ感染について、ワクチンについて考えたんじゃないかなぁと思う。
少し前にテレビ番組で若い患者が症状悪化しているのに、救急車を呼んでも収容できる病院がなくて究極の選択を迫られているドキュメンタリーを放映していた。
そしてその方は助からなかった。
その後その動画がTikTokで拡散された。。
ニュースは見なくてもTikTokは見る人は多い。
そこで現実を知り、今まで結構他人事で数字だけ見ても現実味がうすかった事が、身近なTikTokで突然現実味を持って感じられたんじゃないかなと思う。
そしてワクチン問題。
いよいよ若い世代も接種券が配られ、自分はどうするか、本気で考える人が増えてきたのだろう。
子供たちの世代のひとの考えを聞いていると、様々だ。
少し前に拡散された「ワクチンをすると不妊になる」という噂や、「なにかチップを埋め込まれる」などという話でワクチンに嫌悪感を持っていたり、ただ怖い、痛いから受けない、と決めている人もいる。
たしかにワクチン接種後に死亡した方もいる。そしてワクチンがなんらかの悪影響を与えたのだろうけど、実証する事は困難で、大体の案件は因果関係は不明、となってしまう。
そして今度はワクチン証明書がまかり通る事態もおこっている。
ワクチンパスポートなどワクチン接種した方が楽だなぁという風潮も出てきた。
ワクチンを接種しても、感染することはあるし、マスクは必需品なのに、勘違いしている人もいる。
政府が感染を抑え込むにはまずワクチン接種が重要とアナウンスする事は仕方ないが、それは日本全体を考えた政策であって、個人的にはコロナウイルスの事を知り、個々が感染予防をする事が一番大切で、その方法の有効な一つの手段としてワクチン接種があるのだと思う。
そして自分のライフスタイルを考えて自分のために一番納得できる対策をとれば良いのだ、と思う。
他の人の意見や考えを聞くのはとても良い事だけど、振り回されずにしっかり考えてほしい。
ちゃんと自分で考えて結論を出して、それはまた状況によって柔軟に変化させていける、そんな考えを持ってほしいと思うのだ。
症例 22 101歳 女性 乳がん 高齢者のオペ事情
先日101歳の乳がん患者が入院してきた。
翌日オペ予定である。
100歳越えでオペってどうなんだろう??なんて思っていたけれど、ご本人にお会いしたら、とてもしっかりされた方でとても101歳には見えない。小柄で丁寧な話し方をする方だった。
オペ前検査も問題なく、安心してオペ室に送り出せた。
そしてオペ翌朝お顔を見に行くと、「まだ力が入らなくて起きられないんです。」とおっしゃる。
「昨日手術したばかりで、これからリハビリするので大丈夫ですよ。」というと、「皆さんそうなの?私はいくじがなくて。」と。
「皆さんそうですよ。岡田さんはしっかりされてますよ」「そう?それなら良かった」と。優しく微笑んだ。
本当に稀に見る穏やかで上品な女性だった。
その後も順調に経過し、流石に抜糸は一日延ばしたが、予定通り退院された。
最近は90代でも結構オペをする。
特に大腿骨の骨折など整形外科のオペが多い。
90代でも入院前歩いていた方は家族がもう一度歩けるように、とオペを希望される。
逆に認知症があり、特に徘徊していた方は家族も希望されない事が多い。
高齢者の骨折の場合、急な入院であり、痛みもあり、せん妄を起こすリスクが格段に多い。
せん妄とは高齢者が環境の変化などで一時的に認知機能が低下して自分の状態を理解できずに不安からいつもとちがう精神状態、行動をしてしまうことを言う。
大声をだしたり、暴力的になったり、忘れっぽくなったり、会話が通じなくなる人もいる。
数日で以前の状態に戻る事が多い。
また元から認知症がある患者さんは骨折したことを認識できずに歩こうとして、痛みがあり、また混乱してせん妄になってしまう。
オペを待ってる間もせん妄、オペ後もせん妄とオペ前後の管理はとても気を使う。
ご家族はいつもと違う患者さんに驚き認知症になったと思われるが、せん妄状態という事を説明して気長に経過を見ていただく。
オペ後3日目あたりからだんだん通常に戻る事が多い。ある日突然別人のようになる方さえいる。
予測のつかない、人間の不思議な反応だ。
逆にこの前、大腿骨骨頭骨折の60代の方は絶対に手術は嫌だといって、手術せずにリハビリをして、骨がくっつくのを待ち、歩いて退院できた。
これもまた人間の体の神秘だと思う。
101歳のオペはどんなお気持ちだったのだろうか??
もっとお話を聞いてみたかったな、と今更ながら思った。
最近ハマっている事 ウォーキング
先月の血液検査でコレステロール値が上がってしまい、主治医から「内服薬始めますか?」と提案された。
ちょっとショック!!
最近は終わらないコロナ感染、次々と対応を迫られる病棟運営、スタッフのメンタルサポートなどなど、、、
あっという間に1日がすぎ、帰宅して夕飯を作り、食べ、入浴、就寝、その間もいろいろ考えたり、悩んだり、そしてあっという間に1週間が過ぎる。。
そんな生活をしていた。
主治医の経験から「1日に30分歩くだけでも効果があります。」と言われ、「薬は始めずに3ヶ月後の再診まで運動する様に努力します。」と答えた。
足の方はオペ後半年が過ぎた頃からだいぶ違和感なく歩けるようになっていた。
階段も下りは手すりにつかまってしまうが、上りは危なげなく登れるようになっていた。
" 30分も歩けるかなぁ" と不安ではあったが、
" 少しずつやってみよう"と決心した。
それからちょうど2〜3日後、娘が愛犬と散歩に行くと言うので、「一緒に行く!」と出かけてみた。
1日目はゆっくり15分ほど歩いて帰った。
夜も足など痛くならずにホッとした。
次の日は30分歩こう、と少し遠くまで行ってみた。
それでも筋肉痛もでず、足も思ったより全然大丈夫で自分でもびっくりした。
仕事で歩く事が多くなって、自然と筋肉など戻ってきたのだろう。
それからは自信がつきこの前の休みには公園に行きウォーキングした。
夕暮れ時でとても気持ちがよく、空が段々に暗くなり、星が瞬くまで1時間以上歩く事ができた。
そして次の日も筋肉痛や膝の痛みも無く、本当に嬉しかった。
それからは夕方から夜にかけて、娘とワンコと3人でのウォーキングが日課となった。
よくランニングする人が、「毎日、雨が降っても走らないと落ち着かない」と言うが、その気持ちも少しわかる。
ここ数日はずっと雨でウォーキングに行けなかった。
それでもやはり歩きたい気持ちはある。
最近はリビングから廊下をスマホを持ってグルグル30分歩いている。
外を歩くのとは全く気分は違うが体には同じ効果があるのかなぁ?
わからないが脂肪を燃焼させるには多分効果はあるのだろう、と思って歩いている。
ワンコは
" このおばさん何やってるんだ?散歩に連れてってくれないのか?"
と睨んでいる。
秋雨前線なのかずっと雨降り。
早く公園をウォーキングしたい!!
それまではお家ウォーキングを続けるつもりだ。
入れ歯探し
土曜日の夕方病棟から連絡が来た。
「緊急では無いんですが、山本さんの入れ歯がなくなっちゃって、ゴミも探したんですが、一応連絡します。」と。。
昼食時に入れ歯を入れようしたら、入れ歯ケースが空で上下の入れ歯がない。
夜勤開けのスタッフに確認したら朝は入れ歯があったとの事。
土曜日の日勤スタッフも少ない中、ベッド周り、ゴミ箱の中、床頭台、床、同室者の荷物など、思い当たるところを探したが見つからない。またゴミもゴミ置き場まで行ってみたが見つからない、と連絡が来た。
入れ歯紛失事件は忘れた頃にやってくる。
認知症患者の場合は誤って飲み込むこともあるので確認のためレントゲンまで撮る。
実際嚥下が悪くなって受診した患者さんの咽頭部分に大きな入れ歯が写っていたこともある。
一番考えられることは口に入れっぱなしで患者さんがどこかへ移動させた場合。
なのでシーツの中やティッシュの箱の中、ポケット、下着の中、オムツの中まで探す。
あとは落としてしまった場合、ゴミ箱の中や、床頭台の下や同室者のベッドの下まで隅々まで探す。
それでもない場合同室者が間違えて持って行ったり、洗面所で洗うときに入れ替わってないか調べる。
また患者が検査などへ移動しなかったか、調べる。
レントゲンや内視鏡など。。
それでもない場合はゴミ置き場に行き集められたゴミの中にないか、全部ひっくり返して探すのだ。
これは以前も苦い経験があり、ゴミを集めるときに必ず日付と部署を袋に明記する事になっている。
幸い山本さんは入れ歯がなくてもむせもなく食事も食べられたと言う事なのでとりあえず家族に一報してもらい、後日師長から連絡をすると伝えてもらった。
翌日の日曜日の日勤者にはオムツ交換の時にもう一度患者さん周りをみて、無かったら土日のゴミの袋を取っておくように指示した。
果たして見つかったと言う連絡は来なかった。
月曜日は朝から補助者さんに手伝ってもらい、ゴミ袋のゴミを全部他の袋に入れ替えて一つ一つ探していった。
そしてついに見つけた!!!
患者さんが使うビニールエプロンの中に丸まって大きな入れ歯が2つでてきた。
以前にも同じような事を経験している。
多分ゴミの中だろうなぁと予測はしていた。
下膳で片付ける時にティッシュや食べこぼしなどエプロンに丸めて捨てるのだがその時に一緒に丸めてしまったのだろう。
多分夜勤明けの朝食の片付け時、一番疲れが出たり、ぼーっとしてしまう時間。。
その場面は想像できるので責める事はできない。
とにかく見つかって良かった!!
本当に嬉しかった。
スタッフみんなに報告し、ご家族にもすぐに電話でご心配かけた事を謝罪した。
こういう体験こそ経験値と言うのだろう。
困って探している姿を見ていれば、みんなの経験として蓄積してくれるかな、とも思う。
平日ならすぐに、見つかったかもしれない。
でも土日のスタッフが少なくて忙しい時に何故かいろいろ事件は起こるんだよねえ、、、